「兎」/菊尾
 
餅と団子はレンジで温めてから食べてみると柔らかさを取り戻し非常に美味しかった。
あれから度々僕はその飼育小屋へ遊びに行く事にしている。
特にこれと言って用件はないのだが、兎の話は常識を覆す話ばかりで面白く、また彼もこの惑星の生物と接触を持つことは大事なことだからいつでも来てくれと僕を快く受け入れてくれたのだった。
ちなみにブラシをビニール袋に入れて埋める案は以前、彼も考えたようだ。
だが袋を掘り返し取り出すことはできるのだが、袋の口を結ぶのに苦労するらしく途中で諦めたらしい。
この兎との交流は勿論誰にも話していない。
写真で見せられたかぐや様は令嬢のように麗しかったが最近はバナナダイエットにハマっているらしい。曰く、「これなら続けられそう!」どうせ続かないくせにと念話でかぐや様に聞かれないように周りに居た兎達は話していたらしい。
彼に一度名前を尋ねてみたがこの惑星の言葉では表現できない発音らしく、僕はそれ以来彼のことは、月兎と呼んでいる。そのままだが、それに対し彼に異論はないらしい。
なんかいいあだ名はないかな。と最近の僕はそんな事を考えている。
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