「兎」/菊尾
 
整理なんかどうでもいいや。

「そんな状況下に置かれているこの惑星に対し外部からだけではなく内部からも観察をして状況をより詳しく知っておこうと。そんな理由で一番この惑星に近い月から派遣された私どもですが、そうですねざっと数にしてこの地球上に数千万ほどはいると思います。なかなか切迫しているのですよ。この惑星は。」

お、お疲れ様です。兎惑星じゃないですか地球は。
少し冗談めかして言ってみたのだがどうやらこの兎、物事に集中するとその一点に拘ってしまい視野が狭まるタイプらしい。というわけで僕の冗談は聞き流されてしまった。

「えぇ、そんな理由でですね、一旦帰らなければいけないのです
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