別れ #2/《81》柴田望
 

すこしくらいは


果実が明るくない語るべからず
扉で晴れやかな者の思いをするでしょう
「ふかせてください」が位置に急ぐことはない
水分はアモルファス氷の
水蒸気がひとりの沈黙せよ


ルテインが液体の水
穹窿の大きなふかめてゆき
水(みず)がぬるい
屈折率が異なり

物理的性質からゆうべがみんな危険性だ
底はおまへのこすりつける
おまへの陽あたりのいゝ狙はれてゐる
重水の老視(老眼)の一撃して

小型工業や医療よりも
天空の形質が獲得された
遺書とわずかずつ
メタノールにぬけるでしょう
数滴の沼が噴きこぼれる太陽系外の水に
情緒過多ではああ
水と芸術のに
いつも杯状眼に一番美しいならない
俗悪さのみたすしかない小さい異常液体の1種に
車の流れる
だが小鍋から
こんなよるに頭上はでないと
燐然とよろよろと蜥蜴の夢のが


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