ばらばらの/砧狸
 
古い詩が隠された泥の夏
わたしは薄い膜のようなものに遮られ
わたしの日常に触れることが出来ない

克服したはずの月曜日が
丹念に砥ぎあげられた日本刀のような物差しを持ち
午前三時の暗がりから値踏みするような眼差しビームを出す

抵抗する間もなく わたしは細かく分析され
分解された体は十羽ひと絡げ 共犯として秘密警察に捕らえられ
意味の無い取調べを長い年月続けられ
カツ丼を食べさせてもらえなかったので

詩が生まれた
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