造花/
Etuji
眼をとじて
静かなせかいにはいる
闇にそい
わきあがる追憶を孤独が抱きしめる
痩せた犬がうらめしそうにふりむきながら
白い霧のむこうへ境界をこえてゆく
私はあなたのそばで
ひとりになる
空のない海がひろがる
造られた花のような生からのがれようと
言葉をさがしもとめ
ついには
すがるように
あなたにふれようとして
やがて訪れるときのように
ねむる。
戻る
編
削
Point
(3)