僕は無力すぎる、あなたに無力すぎる/うおくきん
れども、全てに違和感をかんじた、あの優しげな話しかたも、あの慈愛に満ちた笑顔も、あのあたたかだった手のぬくもりも、あの活き活きとした目つきも、全て壊れてしまっていた
痛々しいぐらいにあなたは壊れてしまっていた
聞けば病気が再発したそうだという
原因はなんだ、原因はなんだって
聞くまでもない
アイツのせいだ
あんな生きる価値もない残虐で鬼畜な裏切り者に本気で全神全霊で狂ったよーに恋してしまったせいで、(実のところ)ピュアすぎて弱すぎる少女のよーなあなたは絶望的に壊されてしまった、まわりの誰もが知っていた、あなたがまた発狂してしまったことを、僕だけが知らなかった
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