渡り鳥の法則/桜 葉一
 
大海原を駆ける

群れからはぐれた1羽の迷鳥の

その瞳に映る光景を見た


哀しげで淋しげな瞳には

大海原も

大空も

映ってはおらず

ただ遠くにいるはずの彼女の姿だけが映っている

夕闇に照らされゆく

彼の瞳には小さな明りが灯り

海原は影を反映する


その、光景

彼は自分の美しさを知らない

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