夕日夕食/木屋 亞万
 
夕日の肉は死人の肉だ
という噂も聞こえるので
食べるのを控えていた
死人を口にする事を
嫌う倫理感からではなく
食べたくない死人がいたから

今はむしろ食べたいと思う
焦りながら沈んでいく夕日
あの夕日に彼も紛れているのだろうか
と考えてしまう、私は
夕日に大きく手を振り
彼を抜き去っていく
生きている限りは強制的に
私は季節から送還される

店を探そう
血を滴らせ
肉を喰らおう
ミディアムレアで
沈みたての夕日
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