旅の一枚/かんな
 
の流れと
渡る橋に
パシャ
何かがはねる音が
心地よくて
テニスコートの
フェンスに
ふたりで共感する
同じシャッター

携帯の着信音が
響いた
現代の公園は
そんな音すら
違和感なく包み込む
などと
ぼんやりと考える
急ぎ足の帰り道
ぽつり
雨足も速くなる
ひと時

家に戻ると
冷蔵庫から
おもむろに出してきた
月見団子を食らう
友人の横で
過去をみつけるように
わたしは
この旅を思い
心の
フィルムの
使い道を考えては
この旅の
終わりをただ想った







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