旅の一枚/かんな
 
久しぶりに会った
友人は相も変わらずで
夜中
ぐだぐだと話など
していると
近くの公園まで
散歩しようかと
いった具合で
出かけてみたりする
ふたり
満月に出逢う夜と
曇り空

昼間とはちがう
風景と
迷子になってみながら
一眼レフを
携えたように
カシャ
片目を閉じて
シャッターを押すと
この旅が
切り取られたように
一枚

いくつかの
コンビニを通り過ぎて
角を曲がる
ぽつり
呟いたのではなく
雨が滴ると
公園につく
ひとりとわたし
透明な土の上を
歩くように
心が浮いた

話しかける友人の声
と耳についた
小川の流
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