迷信/吉田ぐんじょう
 

【パンばかり食べていると外国人になる】



こぐま印のしょくパン
という名称の食パンが
近所のスーパーで売られていた
近所の小さい食品工場で
おばさんたちが手作りしているパンだった
時々
高さが揃わなかったり
味が違ったりすることがあったらしいけれど
それは手作りの醍醐味ということで
教育熱心なお父さんお母さんたちが
自らの子に
体にいいからと食べさせていた
確かに おいしそうだったのだ
わたしは しかし いくら強請っても
それを買ってもらえず
いつでもサンロイヤルとかいう名称の
包みの色が
青と赤とあったそれの青い方に
トマトやきうり
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