[恋の煙]/東雲 李葉
想いたいから想うのは個人の自由の範囲内。
だから貴方を愛した。私だけのご都合で。
だけど見返り求めるのは私の自由の範囲外。
それは貴方の権利。だから拒まれた。
恋、なんて厄介なもんは禁止になっちゃえばいいのに。
私は偉い人に決められた名前も知らない誰かと結ばれる。
恋、なんてしんどいもんは潰れてしまえばいいのに。
はじけてしまった赤い汁は苦いばかりの味だった。
私は貴方が好きでした。御覧のようなだらしない女ですが。
貴方を見ていた時だけは少女のようにいられた気がします。
恋、なんて辛いもんは消えてしまえばいいのに。
焦げたりむせび泣いたり、もう疲れてしまったよ
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