微炭酸/木屋 亞万
 
い明度で輝いて冷蔵庫に消えた炭酸
取り残された砂糖水はバランスを失って
少し甘さを増したように思える

短命なものほど美しく
控えめなものほど鮮烈だ
コップの中の歌声が
何度でも夢は叶うから
と言っているようで

結末近付く巻末で
続編を匂わす微炭酸の産声
新しい風と出来立ての愛してる
さよならしても、またやってくる夏
同じ泡とは会えないけれど
同じ味に逢いにいきましょう

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