グラビディエンジェル/秋也
高度に発達した文明が
天使に犯されたいと
泣きわめいている
超高層のビルの上から
ふわふわの羽もないくせに
飛び込む
世抱え人
莫大な金は積めても
聖書の一部も拾えない
一枚の紙幣を何重の何乗にも折って
厚みを増せばすむだけの話かもしれないのに
微笑みよりも
痛みが占める
地下で
煙草ふかしながら笑ってる聖人が
落ちてくる人を諭した
「そうかもしんないけどさ
だからって
本を無理やり最後の方から
読みたくることはないんじゃないの
わけわかんなくなっちまうよ」
大きく煙を天使の片羽へと編み込みながら
もう一言
「俺は今やっている作業が楽しいけどね」
で
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