皮手袋の友人/
KETIPA
れた
雨のような汗が吹き出て分裂するビニール
不快な皮手袋は違う軸に移動していた
行け 帰るな
身体から排除し続けた別軸の世界に
憧れはなかった
こちらの軸には前にも後ろにも誰も立っていない
選んだ末とはいえ
時々それが不安ではあるのです
断続的な低音が振り落とそうとする塩分濃度の高い汗
風圧を強められても両腕がこの細い軸を堅持した
ものの自己謀反の果てに
鋭い先端で切断され絶句
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