雨景/ヨルノテガム
 
て調子よく 悲しみ深くなく
苦しみ深くなく 優しく伝わるように出来上がる
今日が雨でなく いや 
わたしの大好きな雨だから 詠うのさと
曇天を愛したり 
いつまでも真っ暗闇にならない街灯の光の交錯を
ありがたく思ったり。

声が聞きたいわ
歌おうとする声が懐かしいわ を
電線が音符に見えたりして
初めて聞いた音を何度も美しく装飾して養殖して
育て上げるの 夜は窓は
閉じられているから開くと音が聞こえるの
こんな夜は雨が大雨にならない
雲が手加減してくれて
夜空は白く 浮かび上がる

本当の雨はあったのか










戻る   Point(3)