雨景/ヨルノテガム
て調子よく 悲しみ深くなく
苦しみ深くなく 優しく伝わるように出来上がる
今日が雨でなく いや
わたしの大好きな雨だから 詠うのさと
曇天を愛したり
いつまでも真っ暗闇にならない街灯の光の交錯を
ありがたく思ったり。
声が聞きたいわ
歌おうとする声が懐かしいわ を
電線が音符に見えたりして
初めて聞いた音を何度も美しく装飾して養殖して
育て上げるの 夜は窓は
閉じられているから開くと音が聞こえるの
こんな夜は雨が大雨にならない
雲が手加減してくれて
夜空は白く 浮かび上がる
本当の雨はあったのか
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