隙間/小原あき
 

見つけられなかった


高校生になって視力が1.5に落ちても
相変わらず隙間探しはやめなかった
新しいクラスで
新しい友達を捜すのも楽だった
隙間さえあれば
その子とはうまくやれると確信していたから


後ろを振り返った時に見えるその席に
卵くらいの大きさの隙間がある子が座っていた
わたしは迷わず声をかけ
すぐに仲良くなった


ある日その子に友達を紹介された
だけど、その友達には隙間が見つからなかった
こんなことは初めてだった
隙間のない人と話をしたことがない
どうしよう、と思っていると
結構気さくに話しかけられた
話は意外にも弾んだ
だけど、心
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