純情球場/渡邉建志
どど っ
どどどどどどどどどど どどどどどどどどどどど っっっ
どどどどどどどどどど どどどどどどどどどどど
走る走る走る走る
走る走る走る
パンツを脱いでいるオレは
無敵だ
何人かかっても同じことよ
と
満面に余裕の笑みを浮かべながら
もみくちゃにされるオレ
奴ら外野席にボール
投げる投げるボール投げる投げる
そして叫ぶ叫ぶ
「ホームラン!ホームラン!」
おいおいおいおい
これじゃ
玉入れじゃねえか!
オレはいろいろな場所を踏みつけられながら
必死に叫んでいた
気が遠くなりながら見た
外野席は沸いていた
気が遠くなりながら見た校旗は
六甲おろしに揺れていた
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