モンパルナス/《81》柴田望
 
野の果                    
薔薇 が ああ 馳ける しらしらと ため息               
柔らかさ から 聳え、 そして 語るな。                
この                    
無名 に 予感 に 意志 の               
水のやうに 求める約束 は 涙なく                 
                    
あの孤独 の 木 に 向かって                
寂かに 堪えて                   
照らし のは ベッド と 前             
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