あえて名前はつけない/ゆうと
いつかのぼくは天才だった
ように
明滅しているのです
この世はしばらく
眠りにつくでしょう
花が枯れても
かなしむことはない
ふたたび色は戻ってくるのさ
だれも約束しなくても
かならず
きっと
無敵じゃない
ぼくがほしいのは
ハートのエースさ
たったひとつの
それだけで
生きるすべてを
よろこびに変えるよ
逃げないで いてくれれば
ぼくはすぐ そこへ行くよ
うぶげに覆われた声で
ぼくを惑わすつもりだろ
わかってる
だけど
すこし夢をみてる
どうせ苦い目をみるのなら
あまい夢だってみたいのさ
映画館の張り詰めた
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