二つの記憶/caleha
雨が降ってきた
ていねいに すこうしずつ…
部屋の中にいると
外の寒さが まるで
「ひとごと」のようになっちゃうからね
わすれないよう
わすれないようにって
くちびる ぎゅって むすんだ
だいじょうぶ
冷たい季節は 戸惑うぼくを
時に立ち止まらせようとするけど
きみがぼくを求めてくれた記憶が
まだ 今しばらくぼくを暖めてくれるから
雨降りの空は
ぐっと低くて チラッと
きもち のぞかれそうだったからね
こわくないよう
こわくないようにって
まぶ
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