夜の手宮線/
ヨルノテガム
の生え覆った線路の上を
架空の電車が走り過ぎるのを待っていられた
夜のマンションは巨大な宇宙船の影を空に輪郭残し
線路を見下ろしていた
形だけとなった踏切をあとに線路は歩み休むために伸びている
深夜を随分と回ったと思ったがまだ十二時前だった
鳴き虫も眠ってしまう
最終電車を歩いて帰る
(手宮線跡地 from 1880 to 1985)
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