ターンテーブル(習作/あおば
 

  ターンテーブル
                080910


ゆるやかに日が暮れ
跳びハゼが眠る頃に
三日月色の雲が出る
古着を売って流離う風も
そろそろ退屈するはずと
ゆるやかな思いに耽る

機関車が後退しては
なんども頭突きする
埠頭のヤード
ぼんやりした内海が
ゆるやかに息を吐き
気短な機関車が
動輪をきしませて
貨車を引き出して
空っぽになった
ヤード跡
風も無いのに
ゆるやかに回転する
黒々した沈黙の幾何学

戻る   Point(6)