黒鷹 もう飛び去ってください/里欣
 
黒鷹 もう飛び去ってください
 
雪が降る前に漂う 骨までしみる寒さ
真っ白な驚喜に始まった 
救い主と幼馴染の少年の目線
静かに溶ける スコーンと消える
かすかに確かに届いた天意
信じた
凍えそうに切なくて遠い未来を
だから 黒鷹 もう飛び去ってください  

椿という駒は動いたら全体が崩れる
雲と話し
一流の風のために
鮮烈のままで舞って舞って散ればよい
だから 黒鷹 もう飛び去ってください

鉄だ、錨だ、鉄の錨が座礁した
傷のなめあいの終わりが引き際なのに
見えないお互いを照らそうと
待ち続け
やわらかい不
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