海面上昇5/rabbitfighter
には永久に空白だけが残る
そんな空白を思うのは、とても寂しい
それにそんな空白は、いたるところにあって、
それぞれの空白に名前でも付けてやろうかと思う
でも、そんなのは不遜だ
そんな作業は、遠くから紙を眺めているだけの誰かに任せればいい
僕の線はその紙の上にあって、今この瞬間も延び続けている
伸び続けている。
60億の線が、いまこの瞬間に、平行に並んで走っている
60億が、80億になって、120億になって、
やがて迫り来る海面にすべてかき消されてしまうかもしれない未来に、
僕の空白が、あなたたちの空白が、その瞬間に触れるんだ
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