生き道/木屋 亞万
物の悲しみ
を、肝臓と感情に蓄え
必要に応じて取り出していく
(人々が以前よりも感動を求めるようになったのは
感情の機能が昨日より低下しているからかもしれない)
私がお願いしなくても
万事がうまく流れてしまうので
肝心なことほど気付かない
一人で生きてきたような
虚栄心に浸っているから
感情が昨日よりも
機能しなくなっていく
(いつかはお願いしても何もしてもらえない日が来るかもしれないから)
感謝を忘れぬよう、くれぐれも忘れぬよう
誰かのおかげで生きている
でも生きているのは私
自分のやりたいようにやる
自分自身を離さない、忘れない
そうだ
私は
お願いされなくても
誰かを助ける人になろう
頼まれなくとも
希望に満ちた詩を書こう
同じだけの絶望を添えて
戻る 編 削 Point(3)