「存在の彼方へ」を読んでみる/もぐもぐ
 
もない私が、そうした宗教的、神学的な議論を読んで一体どうなるのだろうか。
個々人の生と、戦争を直接に結び付けて考えることの出来るような議論、そうした議論は、明示的にであれ黙示的にであれ、何らかの宗教や道徳的な立場に基づいた議論にならざるをえないものと思われる。政治家でも、軍人でもない者が、自分自身の生と戦争について考えようとする時には、どうしても一歩、そうした宗教的・道徳的な議論に踏み込まざるを得ない。そうだとするならば、どのような宗教道徳の理論化(神学)から生まれてきた議論であろうと、それに触れてみることは、生と戦争の問題を考えるにあたって何らかの示唆を与えてくれるのではないだろうか。

そうしたほのかな期待を抱いて、私はまだこの本を読み続けている。


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