嫉妬/吉岡ペペロ
 
舎弟格の男に

姐さんのことで嫉妬した

組の大義名分を叫んで

その男にきつく接した

男は侠として私に惚れていた

私の子をうんだ女は三人いた

私がいちばん好きだっのは

姐さんだ

いちにちも気が晴れる日はなかった

姐さんが亡くなる日まで

いや、舎弟格の男が亡くなる日まで

いや、いまも、

いちにちも気が晴れる日はなかった
戻る   Point(2)