「 月の子守唄 」/椎名
胸に黒い塊を飲み込んで
眠りにこの身を委ねよう
言葉にできない
どろどろした想い
弱さ
みんなみんな飲み込んでしまえ
吐き出せば誰かが傷つく
自分も傷つく
せっかくの青空も濁ってしまう
じりじりと焼き付ける太陽に
燃え尽きてしまえればいいなんて
不可能な望みを抱いて
この夏の日が
夢でありますように
この暑さが終われば
またやさしい秋がくる
穏やかな心も戻ってくるだろう
眠ってしまえ
眠ってしまえ
全てを闇に葬って
月が子守唄をうたってくれるから
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