残暑/ヒロシ
 
過ぎ去りつつある夏
残像のような
真夏のそれとは違う
寂しげな熱

ゆっくりゆっくりと
季節は移ろってゆく
どうかまだここにいて

太陽と空が
ほんの少しずつ高くなってゆく

きみの声が聞こえた気がした
もう追いかけてこない
僕はきみの名をつぶやく

夕焼け空

思い出がスライドショーのように
回り始める

楽しかった日々も
あの空の向こうへ
流れていった

ひとり
きみを想う季節
寂しい季節がまたやってくる

たくさんの
君の言葉を抱きしめて

巡る季節を
感じて

戻る   Point(1)