夕焼けヒッチハイク/あおば
 
浮かべて御礼を述べる
ルル述べたいところだが
無口の青年
あまり話したくは無さそうで
クルマはすぐに宗谷の街に着いて
見覚えのある角で
通り一遍の御礼を述べて
降ろして貰う

彼は何処に行くつもりだったんだろうと考える
行くところがないから
なっとくのうえで戻ったのかも知れない
それともあれから再び出かけたのだろうか
無口の青年は恰好好いクルマに乗って
海岸沿いの道をひた走る
海風をスマートに受け流し
八月の
日暮れの日差しは明るいけれど
暑くはなかった




参考画像 宗谷本線 抜海付近 牽引機C55




初出「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿



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