ジンジャーエールに関する宇宙のはなし/ゆうと
渇いた喉に、
ジンジャーエールを流し込む。
ありとあらゆる細胞に吸収され、
ぼくは炭酸の泡で息をする。
ぱちぱちと、星がまたたくような音がひろがっていく。
なんとなく宇宙はそこにあって、
ぼくがいまここにいることも、宇宙の謎のひとつであるのに、
人々は目をそらし、
極端に遠いところ、または、極端に近いところばかりをみている。
人力をあやつり、あの人はいま、
天才と呼ばれ、テレビの中でインタビューに応じている。
人々はそれを喜び、一部のものは舌打ちをした。
フラッシュがたかれている。たくさん、かぞえきれないほどに。
あの人はそれを浴び、すてきな笑顔をつく
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