長い雨季/リーフレイン
 
機を織る音は雨の音に似ている
人の心臓が脈打つ期待と怯えが
まったき雫になって林の上に降り注ぐ
神が御座においでになる

  長い雨季がやってきた

月の半分は水がついてしまうこの付近の家々は、船をもっていた
石垣を高く組み上げ、階段を登って母屋がある
母屋の外壁にはりつくように木製の船がある
艪の船で、船尾は四角く、オールよりはるかに長い艪をななめに取り付ける
みな6歳になると半円を描くように動かす艪の漕ぎ方を練習する
艪は腕力がほとんどいらないので、小さい子でも漕げた

雨のあと、鏡のようになった水面にはいくつもの船が浮かぶ
艪は水路の上だけで使い、浅い
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