どうせ幻なら/
風音
霧雨が
降り続いて
やわらかな
ミルクいろに
包まれる
忘れてしまおう
どうせ幻なら
あのことも
このことも
あのひとのことさえ
きっと
幻だったのだから
みんなみんな
忘れてしまって
ミルクいろのなかで
ただ
眠りたい
やわらかな
冷たさのなかで
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