切れる代官山の愉快犯/詩集ただよう
かけ、ショッポに火をつけた。両手の指先がひび割れそうなほど冷たくかじかんでいて一苦労した。ようやく、ふうと吹き上げた一口目の煙と白い息が強風にあおられ消えた。僕は震えたままに膝を折り、体操座りで何かしらの違和感を眉間に集めまさぐっていた。違和感というよりは食後の異物感に近く思った。確かめるように口元に手を当てて、煙を空の肺にたたき込んだ。落ち着いていなかったのか、それがそのまま胃へと流れ、咳込んだ。
おえ、見ろよ、すげえって、と続け様に言われた。
翌日、二つあった講義を休んだ。マンションの屋上に長くいたせいで一日早く冬休みに入れた。それから数日経った旅行当日の朝、早くも模倣犯が出ました
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