一行詩抄・鬱々/石畑由紀子
 

 地下鉄の風に胸の内なぶられて



 食物連鎖 取り残され 独り夕食



 どこも痛まずに爪が伸びてゆく



 今月も産まれない卵を産み落として



 部屋中が秒針だらけになる深夜



 どこを切っても血しか流れないなんて



 世界に√をかざす。まだ応えない。



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