夏と麦茶/anne
そとの温度はかるく30℃をこえて
蝉の声は途切れることをしらず
部屋のすみのちいさな植物さえも
気絶しそうになってるなかで
古い扇風機ひとつまわして
からんと涼しげな音をたてる麦茶のグラス
おちた水滴が色あせたズボンに黒いしみをつけて
降らない雨を思わせた
あけはなった窓からみえる
四角くきりとられた空は真っ青で
うずまく入道雲は真っ白で
そのふたつだけの空を
暑そうにカラスがよこぎった
グラスをかたむけると からんと
氷がゆれて
暑さにやられたすべてのいきものに
麦茶とこおりとグラスの祝福を
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