ある日のデッサン(2)/かんな
ためだと偽りのように。9月1日が誤ったエイプリルフールのようにおしよせた秋。
ことばが見つからなくなったそんな時には、残り少なくなったシャープペンシルを何度も何度も押すことを試みるような無駄なあがきはしないで、ボールペンに持ち替えます、臆病なわたしが聴いた、遠くから聴こえるサイレンと、雑踏の中で歩く人々がおし黙ったままのサイレント。
どちらも許せなかったわたしが罰をつけたそんな解答用紙に、まるですべてを許してくれたようなあなたの○が薄っすらと見えた、地球儀のように世界を小さく出来たなら、あなたもわたしもこんなちっぽけな出会いに感動なんかしなかったね。
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