僕は世界に旗を掲げる/
たりぽん(大理 奔)
雨ではないのに
降りそそいだりこぼれ落ちる
でも、そんなふうに
濡らしはしない
無関心ではいられないのに
すり抜けていく言葉
かぜにはこびあげられて
雨になるには重すぎる
それが僕
町を見下ろす放牧場で
できるだけ高く
世界に白い旗を掲げる
何色でもない旗を
風が吹いてゆく
渡り鳥が帰って行く
口笛を吹く
草を飛ばす
できる限り
とおく、遠く
だけど
だけれども
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