黒色鳳/セルフレーム
木造りの土台を作られたとき、我を持つのですよ。
京の都の商人が、わたくしを蔵から見つけて、肉付けと色付けをして下さいました。
わたくしは、その方にお礼を言い、故郷に帰ってきました。
知らなかったのです、何も。
わたくしは、寂しかったのです。
寂しくて、でも主にまた会えて嬉しくて・・・
なのに・・・すっかり忘れていらっしゃった・・・
なのに主はわたくしの事をすっかり忘れていらっしゃった・・・!
悲しくて・・・悔しくて・・・憎くて・・・恨めしくて・・・!
だから、主の奥様を道連れに・・・
奥様を天に捧ぐ事にしましたの」
帝は地に頭をつけ、必死で謝ったのですがね・・
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)