カランダッシュと電波/
木屋 亞万
私も旅に出ることにした。
首からカメラをぶら下げて、人の笑顔を写しては、その写真を丁寧に模写していく。
もちろんカランダッシュを使って。
世界を旅していると、たまに知己の居場所がわかって、私はわざと出くわすように迎えにいく。
私たちは電波で繋がっているのかもしれない。
太陽と月のように対になって、地球の周りを移動しているみたいだ。
一つの世界と一つの魂を感じる。
カランダッシュが朽ちる時まで、私は旅を終えないだろう。
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