80dB/あやさめ
気がつけば文字の抜けた 文からの逸脱と
毛玉の絡み合う不器用なセーターの下から
顔をのぞかせる隣家の猫が
ブロックのpieceを蹴飛ばして眠るように
温かい日の雨と屋根の向こうのテーブル
少しずつ鉛筆を転がし落ちては拾って
傘も右手から左手に持ち替えて
車と自転車の一列から三列への展開と
全ての被害を足して5で割ってから
もう一度報告をください
─六月二十二日、雨ないしは霧、0.23─
新しい通貨もタクシー券のように見えて
野積みされた自転車の残骸の山の上から
誰かに囲まれたわけでもないのに猫の群れがやかましく騒ぎ立てて
気がつけば( )の抜けた「 」からの逃走ゆえ
《 》も一々大げさに[ ]ごと絡みあってうるさいし
明日にでも『 』が明るすぎて─ ─どうぞご勝手に、と
陥る先も遮られた 行進だけでパレードが始まります
ただ 埋没するだけで
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