遂逸、確固は雷/木屋 亞万
病気ってさ
痛くてさ辛くてさ
周りに迷惑かけてさ
色んなもん失ってさ
未来の終わりが見えてさ
過去が虚しくてさ
死にたくない
って思ってさ
元気な頃はさ
死ぬなら泡のようにさ
苦しまずにあっさりとさ
綺麗に死にたいってさ
言ってたんだけどさ
せっかく色々頑張ってさ
生きてきたのにさ
終わりぐらいちゃんとさ
死ぬぞって思って死にたい
って今更思ってさ
病気ってさ
背骨が溶けたりさ
記憶がほつれたりさ
怒りっぽくなったりさ
致死量の辛酸を嘗めながらさ
自分の人生の意味とかさ
死んでったやつのこととかさ
考えたりするわけさ
まだ死にたかないな
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