君の水脈/佳代子
水道の蛇口を捻ると
羽根飾りを着けた男の子達が飛び出してくる
あわてて掬って口に含むと
格子窓から漏れてくる明かりのような
ぼんやりとまたうっとりとした
現実に変わって
あたしの渇きを癒す
嘘! 乾いてなんかいないの
あたし ほんとよ あたし
なのに 水道の蛇口を捻ると
口がすぐそれにゆく
母胎回帰なのかもしれない
君の水脈があたしの体に横たわる
親骨のように冷徹で
柔らかな強かさが
あたしの細部をまさぐり流れる
潮が巡るように君はあたしを巡り
せつなくてあたし
水道管を抱きしめるのね
乾いてなんかいないの
かわいてなんか・・・・・
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