天気予報に言い訳を/霜天
 
いつだって繋ぎ目は曖昧だから
継ぎ接ぎは空にだってある
雲の
折り重なった影を
届かないその曲線をなぞったりする


ほんの些細なことが
いつまでも尖って痛いので
繰り返す垣根の下り坂を
不器用なスキップで泳いだりする
夏、泳ぐ
いつまでも開かない気持ちを
つっかい棒で奮い立たせているんだ

こんなふうに
僕と君と
それだけじゃないすべてのものとの境界が
曖昧になりがちな夕立の後だから
空の継ぎ接ぎを数えてみたり
その場しのぎの傘を両手で作ってみたりしながら
なんとか明日に繋がりそうなものを
手探りで探したりしてしまう


ほんの些細なことが
いつまでも抜けずに痛いのは
僕や君や
ルーペをなくしたからなんかじゃなく
明日に繋がりそうなものを
夏に泳ぎ、探しながら

天気予報に言い訳を
繰り返している
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