夏の終わり/
ヒロシ
街は雨
夏の終わり
もうすっかり
まだ8月だというのに
肌寒くなって
僕は部屋からぼんやりと
外を眺めている
祈りも
叫びも
雨雲に
吸い込まれて
今日は夢を見ることさえも
忘れてしまいそうで
ただ
遠い日
あの子と抱き合った事を
なぜか思い出してしまっていた
季節よどうか
うつろわないで
向日葵がそう囁いた気がした
夏の終わり
ただ
ゆっくりと
時は過ぎていく
時間を停める術を
僕は知らなかったんだ
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