詩とは何か【詩とは何か祭り参加作品】/北村 守通
 
言葉というものほどやっかいなものはない。
これだけありふれて、一番使っているものの筈なのに、いざ真面目に面と向かい合ってみると、なんてデジタルな奴なんだ、と閉口してしまう。わかり切ったことではあるけれども、結局人間の心情だなんだというアナログな状態を、無理やり分割しているものだから、それらを再び結合させてみても(文章という連続に直してみても)必ず穴が発生して「こんなのじゃぁなかった!」となってしまう。ただし、その穴の存在を利用すれば、とんでもない嘘がつける、ということも有り得るわけで、そうした「リアリティ溢れた意図的な嘘」に到達できることが、目下のところ僕の目標とするところなのである。


[次のページ]
戻る   Point(3)