少女でも少年でもないのだから/紫音
 
させる

世界には飢えて死んでいく人が数多いるというのに
ここでは飢えること自体がニュースにさえなり
ニュースは娯楽でしかないことが
此処という存在を歪にしていく
そこには 現実感がない

薄情でどこかおかしいのかもしれない

表面張力のように無理して感じてるフリをするよりも
分からないことを分からないという
その強がりをどこまで許容するのか

さりとて
少女でも少年でもないわけで
いつ時代が過ぎ去ったのかも気づかず
ぼんやりしているうちに
死ぬことの役割を考えるようになり

死ぬ
ということは
どこかで飢えている一人が生きることに繋がるのだろうか
それとも
関係なく
此処に飢えられない人がもう少しだけ
飢えられないだけなのか

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