夏がただ過ぎていく/
松本 卓也
を
身体が求めていることを知る
このまま埋もれていくのだろうか
このまま廃れていくのだろうか
いつから忘れているのだろうか
何を縋っていたのだろうか
分からないまま綴り
辿れぬまま叫び
掻き毟る胸の痛みさえ遠く
ただおどけて笑うだけしかなくて
泣きたいけれど
鳴きたくはない
認めてしまえば多分
幾許かだけ残る意地さえも
消えてしまいそうだから
あと少しだけ
もう少しだけ
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