ホワイト ノイズ/エチカ
 
ざ。ざざざ。


桃のようにするりと剥けてしまった私の肌を
産毛のように時々ふわりとくすぐるあなたの目が指で
ぶるん、となぞるように見ている。

チクリ、と刺されたように耳たぶが、じんじん真っ赤になって息が漏れました。
しろくて甘い水桃のような甘い潤いを
あなたの手がなぞっていくだけで私、
糖液のような気持ちになってとろりと溶けてしまって 恋をしてしまっ た

ざざざ。
ざざ。

無人島に向かう途中できれいな歌声が聞こえたわ。
あまりに美しく響く石榴の音色に私酔っ払ってしまった。
何にもいらなかった、何にもなくなって何も欲しくなくなって。
初めていとおしいとそ
[次のページ]
戻る   Point(1)